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はじめに はじめに 制作意図

1950年代初頭、ニューヨーク。リトルイタリー界隈で凄腕のギャンブラーが評判になっていた。その男の名はモンタナ・ジョー(33)。ジョーは日系二世で、同じ二世のエディ上原(38)を片腕にマフィアが仕切る賭場を荒らしまわっていた。
ある年の瀬、ニューイングランドの大物マフィア、ロウ・ラスパ(50)が主催する大賭博会のディーラーが暗殺されるという事件が起きる。その大賭博会の代役のディーラーとしてラスパの目に留まったのが、ジョーである。ラスパは手下に命じ、ジョーとエディを拉致する。「賭博会が終われば、用済みでマフィアに消される」と震え上がるエディだが、ジョーは「千載一隅のチャンス」だと心を躍らせる。

ラスパの大賭博会はニューヨークの5大ファミリーに対して、己の力を誇示する為のものであった。特にニューヨークで「ドンの中のドン」の座を狙う、ドミニコ・カルソ(48)がラスパのファミリーの切り崩しを企んでディーラーを殺害した事を知っていた。
 ラスパは何が何でも大賭博会を成功させ、カルソの策略を叩きつぶさねばならなかった。それを見抜いたジョーは「大賭博会を成功させる代わりに、自分とエディに賭場を持たせてくれ」と要求する。ラスパはジョーの度胸と自信、怖いもの知らずの大胆な申し出を受け入れる。ニューヨークに対抗するラスパの「名誉と野心」に、ジョーは「自分とエディの命」を賭けた。

大賭博会は表向き、クラッシーで豪華なディナーショーを装いながら、裏ではラスベガス並みの大金が動く。カリフォルニアの成金、ハリウッドスター、そしてニューヨークからはカルソが招かれて来た。ラスパとカルソの腹のさぐり合いが始まる一方、ジョーはカルソが送り込んだ3人のプロのギャンブラーを相手にディーラーを務める。エディはフロアマンとして、その勝負を監視する。マフィアの賭場を日本人が仕切る。
「ジャップ」「イエローモンキー」と口汚くののしられ、笑い者にされても、ジョーは平然とカードを配る。その見事なディーラー振り。勝負は「命を張った」ジョーが勝つ。逆上した相手は銃を抜き、ジョーを殺そうとするが、ラスパの手下達によって始末される。大混乱に陥る会場をカルソは静かに立ち去る。
ラスパはジョーとエディの目の前で、カルソに通じていた裏切り者の幹部を射殺する。2人が見た本物のマフィアの怖さ。ラスパは2人にシカゴへ行けと言う。

ラスパはシカゴファミリーと組んで、ニューヨークに対抗する新しい「コーザ・ノストラ」、シンジケションを作ると言うのだった。ジョーとエディはラスパに忠誠を誓う。

ジョーとエディに選択の余地は無い。いやむしろ、2人には「願ってもない本物からのオファー」だった。シカゴへ向かう列車の中で、2人の夢と野心が、不安とない混ぜになって未来を見つめる。そしてジョーは、「イタリアンじゃない、自分にしか出来ないファミリー」の結成を心に期していた。ジョーは思い出す。

ジョーは牧師の父と教師の母の間に、カリフォルニアで生まれた。1919年だった。日系移民に対する白人社会の差別と挫折はすさまじかった。親たちは、白人に頭が上がらず、ひたすら耐えて黙々と生きていた。ジョーが白人の子供たちとケンカをしても、怒鳴られるのは白人の子ではなく、いつも自分だった。「お父様たちは、何故、白人に抗議をしないのか? 卑怯だ! 臆病だ!」ジョーは14歳で家出をする。「自分の手でアメリカの自由を手にする。僕はアメリカで生まれたアメリカ人だ!」。毛布1枚を担いで、メキシコ人の季節労働者に混じって、カリフォルニアを転々とする。カードを覚え、イカサマの腕を磨いた。いつしか、スリムジョー、モンタナ・ジョーと呼ばれるギャンブラーになった。

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