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エディとはそんな頃、出会った。腕っぷしの強いエディは、ジョーの用心棒的存在になった。2人はサンフランシスコの路地裏や、大陸横断鉄道を股にかけ、イカサマ博打で稼ぎ、やがて日系や他のアジア系の少年たちと、徒党を組んでのし上がっていった。野菜トラックのハイジャックをやったり、黒人ギャングと抗争になったりもした。 |
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そんな少年たちの野望を打ち砕いたのは太平洋戦争だった。彼らは分断され、散り々になった。ジョーとエディは辛うじて同じ収容所に入った。戦争「勝ち組」と「負け組」。同じ日系人たちは真っ二つに分かれた。ジョーは冷め切っていた。「自分は決して、日系社会に戻る事はない」。アメリカに出て行けと言われ、日系社会は余りにも遠いものとなってしまった。「俺は俺でしかない」。ジョーの気持ちは自然と、アメリカアウトローの世界へと向かった。日本が敗れ、戦争は終わった。ジョーとエディは、カリフォルニアを捨て、ニューヨークへその居場所を求めたのだった。そして――――。 |
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ジョーとエディは今、「少年時代のファミリー」を再結成しようと誓い合った。チャンスが来た。皆を呼び集めよう。シカゴへ向かう列車の中で2人は「モンタナ・ファミリー」の揺るぎない未来を思い、胸高鳴るのだった。それは「血の掟」で結ばれたイタリアンマフィアの世界に飛び込んだ「日本人の血」の自立への野心でもあった。 |
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シカゴのトップ、フランク・ピロンティ(48)は、アル・カポネ以後の混乱したシカゴを束ねている大ボスである。後に、ジョン・F・ケネディの大統領選に裏で貢献した、立役者である。ラスパとは盟友で、ニューヨークの5大ファミリーとは一線を画している。ラスパの肝煎りでシカゴへ来たジョーとエディは、シカゴ北地区のボス、ジョセフ・アベリーノ(42)の傘下に入る。アベリーノは「イタリアンマフィアの血の掟オメルタを裏切ると、例え、ラスパでさえ、お前たちを守れない」と釘をさす。ジョーは「肌の色が違うからと、貴方たちに裏切られる方が怖い」と切り返した。ラスパは更に、ジョー達の相談役として、シカゴで葬儀社を営むロス・スカリーノ(57)を紹介した。スカリーノはカポネの片腕とまで言われた男だが、今はリタイアしている。しかし、シカゴで情報収集、特に警察情報には未だに強く、ジョー達「新米」には貴重な存在であった。リタイアしているとはいえ、ラスパのシカゴに於ける参謀でもあった。 |
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ジョーとエディは、昔の仲間をシカゴへ呼び寄せた。日系のスマイリー井上(34)。ホビー篠原(32)。韓国系のスティーブ・ホー(32)。中国系のトビー・チョン(38)。メキシコ系のフェルナンデス・豊臣(32)。スカリーノを含めて、モンタナ・ファミリーが結成される。「俺たちには、イタリアンの血の掟など必要ない。自分の信念の為に生きろ」。ジョーはファミリーの独自性を強調した。「家族のいる者はシカゴへ呼んでやれ。いない者は家族を持て」。家族を捨てたジョーは逆にファミリーを求めた。 |
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シカゴ北地区はカポネの時代以来、マフィアの収入源としては最大の地区であった。ジョーはまず、この地区のカジノを片っぱしからファミリーの手に落としていく。これを面白くないと思う、生粋のイタリアンマフィア、アンジェロ・ヴェローザ(38)は麻薬、売春、マシンガンで同じ北地区に君臨しようとしていた。ジョーはギャンブル一本、「企業マフィア」としてモンタナ・ファミリーを形成していこうとした。旧態然としたイタリアンの血と誇りを標榜するヴェローザとの対立は決定的であった。 |
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